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イルチ女史が化粧品開発の初期に気が付いた衝撃の事実
イルチ化粧品の生みの親であるイローナ(愛称:イルチ)・モルナー女史がエステティシャン兼科学者として顧客のお肌の悩みに向き合うにつれ、たどり着いた答えは『お肌の悩みの約8割を解決するのは正しい洗顔をすることである』。
肌トラブルを持つ顧客の大多数は、当時流行し始めた『液体洗顔料(弱酸性)』を使用していました。
そこでイルチ女史はこの洗顔方法を変えれば、お肌のトラブルに変化がでるのではないかと研究を始めました。
彼女の持つ植物の知識だけでなく、化学的なアプローチを試みるうちにDr. Erno Laszloの提唱する石鹸美容法に深く感銘を受け、海底の黒い宝石(オーストリアのチロル地方やイタリア、フランスで産生される太古の魚類と海獣の残骸を含む石状のもの)を精製したイクタモールに注目しました。Dr.Erno Laszloはイルチ女史と同じくブタペスト出身で後にアメリカへ亡命した著名な皮膚科医でした。
Dr.Erno Laszloはハンガリー時代でも有名でヨーロッパの王室の方々のお肌の悩みを素早く解決するスーパードクターであり、多くの研究文献を世に出しました。後にアメリカに亡命すると美容研究所を設立しマリリン・モンロー、オードリー・ヘプバーンやジャクリーン・ケネディなどを顧客に持っていました。現在NYにある化粧品専門博物館メイクアップミュージアムに彼がジャクリーン・ケネディに出した処方箋などの文書が公開されているようです。
著名なドクターの美容法から更なるブラッシュアップを目指したイルチ女史
洗顔料を試作する段階で、当時流行した液体洗顔料は安価で取り扱いが簡単だったにも関わらず、イルチ女史は初めから『石鹸』にこだわります。理由は文句なしに汚れ・角質を取り除きお肌を柔らかくするから。後に使用するスキンケアの効果を引き出すにはやはり『石鹸』しかない、と決めていたようです。
Dr.Erno Laszloの石鹸美容では固形石鹸が使用されていたのですが、石鹸にも固形のものと液体のものがあり、個体のものは保存性に優れ大量に生産もできるのですが「より多くの肌質に対応しつつ使用感を高めるにはどうしたらいいのか?」これが次なるイルチ女史のチャレンジになりました。
固形石鹸では仕上げる時に純度を上げて腐らないように塩析という作業があり、その時に水分と一緒にグリセリンなど保湿成分も一緒に抜かれてしまします。その結果使用感がさっぱりしすぎるのではないか?と彼女は考えました。
そこで石鹸でありつつ天然保湿成分を残す方法として伝統製法の一つで、13世紀まで使用されていた『古代製法』に着目します。この製法で植物オイル、ハーブを発酵させたもの、イクタモールなどを窯で炊いて作る液体石鹸(軟石鹸)が『ブラックソープ』として誕生しました。(ブラックソープはジェル状に見えますが、軟石鹸と言われる液体石鹸の仲間です。)この製法は作業が煩雑で手間暇が掛かる上、大量生産出来ない、使用期限が短いという弱点があるものの使用感が格段に上がる方法でした。
こうしてイルチ女史がやっと納得のできる洗顔料『ブラックソープ』が誕生しました。
この洗顔料に顧客は大満足し、彼女の推察は間違っていなかったと確信したといいます。
お陰さまでブラックソープはイルチ化粧品の代表作として現在もヨーロッパおよびハリウッドセレブらに愛用されています。